パープルーム大学物語

 

 

パープルーム大学物語

Parplume University Story

 

2015年7月11日(土)- 8月15日(土)

11:00 - 19:00 日曜、月曜、祝日休廊

July 11 - August 15, 2015 11:00 - 19:00

Closed on Sundays, Mondays and Public Holidays

 

 

 EVENT|イベント. 講義. パーティー 

 

7.11[土] 18:00 - 20:00

オープニングパーティー

Opening reception: Saturday 11 July, 18:00 - 20:00


 

7.14[火]

『☆ユートピ、ぱぁ!にゃーっ!☆』主催 . 栄あずな(ex-たんぱく質)

内容についてはコチラ


 

7.16[木]&23[木] 15:00~

『似顔絵を描く』出演 . KOURYOU & ニ艘木洋行


 

7.18[土] 19:00~20:00

演劇『おやゆび姫の物語』


 

7.21[火]-23[木] 13:00~

『油絵を描く』出演 . 坂本夏子


 

7.24[金]

『パフォーマンス』 出演 . 平山昌尚


 

7.25[土] 18:00~

『美術と教育の関係』出演 . 荒木慎也 / 梅津庸一 / gnck / 山本悠 / 参加作家 / 他


 

7.31[金] 20:00~21:00

『始末をかく1こころをよむ』岸井大輔 . 他


 

8.1[土] 19:00~

『ペガサスの風』出演 . 風見2 / 20m16


 

8.5[水] 18:30~

『藤城嘘×パープルーム予備校企画・座談会「2020年の美術」』

出演 . 藤城嘘 / 中島晴矢 / TYM344 / パープルーム予備校(アラン、安藤裕美、高島周造、梅津庸一)


 

8.8[土] 15:00~

『パープルームティーパーティー』

出演 . 星野太 / 永田希 / 梅津庸一 / パープルーム大学


 

8.15[土] 19:00~

『敗戦記念晩餐会2015』

出演 . 黒瀬陽平 / 梅ラボ / 新藤淳 / 梅津庸一 / 他

 

 

 

 


 

 

 

出品者

 

qp

坂本夏子

平山昌尚

梅津庸一

福士千裕

内田百合香

風見2

20m16

岸井大輔

KOURYOU

鋤柄ふくみ

マジカル商店

だつお

栄あずな(ex-たんぱく質)

ニ艘木洋行

現代ビジュアルセミナー

パープルーム予備校生

(アラン)

パープルーム予備校研究生

(高島周造、安藤裕美)

 

 

 

 

 

 


 

 

「パープルーム大学物語」によせて

 

 

グループショーとは通常、主催者のステートメントやテーマ、趣向に準じて作家が選定され配置される。

「パープルーム大学物語」という展覧会はそういった理念に基づいて構想される展覧会とは少し様子が異なる。

宣言の代わりに実際に存在し運営されている「パープルーム予備校」と呼ばれる拠点がその中核を成す。

 

 

かつて日本に美術という制度が移入された際、画家たちは西洋画を伝えるための私塾を次々に開いた。

それはヨーロッパのアカデミーに由来するものだった。

初めは国産の西洋絵画を作るといういささか倒錯しながらも理念を共有できていたが、

日本の経済の発展とともに美大受験産業に取り込まれていき受験に特化した予備校として勢力を拡大していった。

しかし昨今の日本の経済活動の縮小、少子化に伴い予備校は小規模化し消えていきつつある。

その産業としての美術予備校ではなく今の私たちに見合った小さな資本でエコノミカルに

運営していける本来の予備校の形を模索するのが「パープルーム予備校」なのである。

 

ただ本来の形とは言っても時代を遡るわけではない。

当時のアカデミズムと師弟制度との親和性の高さ、そして受験の合格率を上げるため、

傾向と対策を繰り返すうちキメラのように奇形化した受験絵画。

それらは今の日本の美術を形作る血肉となって息づいている。

 

しかし大学側はそれを自らの権威を維持するため決して認めようとせず否定し続けている。

これは2015年現在も美術大学で連綿と続けられている悪しき習慣なのである。

受験期の個人的なトラウマに由来するルサンチマンを教育現場に持ち込むことで

歴史的視座は切断され続けていく。

 

パープルーム予備校はその文化資源を受け入れ、無駄にはしない。

そしてパープルーム予備校では生活も制作も時には展示も同じ空間が兼ねる。

美術教育と生活の境界は当然、曖昧になる。そもそも美術とは教育が可能なのだろうか?

という問いには正直答えられないが、少なくとも一緒に取り組むことはできる。

美術の運動体として。

 

ここに出入りする作家たちは生徒からすれば皆、「教材」である。

その作家たちはそれぞれ異なる出自を持っている。

予備校生と一緒に過ごしたり、制作をする時間はかけがえがないし、

個々が持っている固有の作家性は花粉のようにアトリエや関係性の中を舞い、

やがて受粉する。思いがけない掛け合わせによる花が咲いたりもする。

 

こういった作家性のシェアや交感は美術学校の就学過程でこそ見受けられることもあるが

通常のアートフィールドではあまり見られない。

美大を出ている作家、出ていない作家、そして予備校生がパープルームに関わっている。

美術という制度へ自覚的な作家もいれば、美術が生息環境そのものという作家もいれば、

そういうことと無関係な作家もいて、それぞれが交流し、シェアできる。

暫定的な密室のアトリエを設定することで表現の感染力は飛躍的に高められる。

それが「パープルーム」の芸術空間なのである。

 

 

表現の様式や時代、場所、コミュニティーによって単線的に語られがちな

美術史、美術批評の欠点を造形や実技系の表現の波及の仕方、潜伏しているものを可視化

することにより、補いたいという欲望も渦巻いている。

 

 

 

『パープルーム大学物語』とは展覧会という空間と時間を伴う場に建てられる「美術学校」

の物語である。

 

それは、「美術の物語」であり、「学園物語」であり、「恋物語」であり、「絵が生成されて

いく物語」であり、「視界と絵画平面が同期する物語」であり、「色と線とカタチの物語」

であり、「風で草が揺れるような自然の物語」であり、「語り得ない物語」でもある。

 

 

かつて黒田清輝は日本に「構想画」という概念を根付かせようとしてあまり上手くいかなかった。

それは教育に於いて、「愛」や「感じ」といったものをロマンチックに受容し伝えたためでもある。

今後パープルームという揺りかごを経てようやく「構想画」が出てくる。

或いは初めて意味のある描き損じをすることができる。

それはもはや「洋画」という体裁をとらないのかもしれない。

 

 

最後に2015年4月27日、パープルーム予備校に通うため、

鳥取からアラン君が夜行バスに乗って相模原に引っ越してくる前夜に急遽作られた

「パープルームのきまり」を列挙する。

 

 

 

『パープルームのきまり』

 

0,めんどくさがらない

1,自分の言葉でしゃべる

2,整理整頓

3,人の目を見て話す そして、会話を楽しむ

4,いい絵至上主義

5,仲間を大切に・信頼

6,作品に愛を

7,チャーミングさ かわいさ

8,報・連・相

 

 

文責・パープルーム予備校:梅津庸一

 

 


 

 

 

ARATANIURANO アラタニウラノ

〒108-0072 東京都港区白金3-1-15-2F

3-1-15-2F, Shirokane, Minato-ku, Tokyo 108-0072, Japan

Tel +81 (0)3-5422-8320

info@arataniurano.com

http://www.arataniurano.com

 

 

 

 

 

 サムネイル